皆さんこんにちは。
シュイロ講師の岡田美咲です。

先日、一般財団法人全日本ろうあ連盟が主催する
〈一般財団法人トヨタ・モビリティ基金助成事業〉
手話言語アナウンサー・手話言語解説者・手話言語通訳者養成研修の講師を担当しました。

誰もがスポーツを楽しめるように、ろう者によるアナウンサー・解説者・そして中継サポートなどを行う手話言語通訳者の養成を行う研修です。
まずは来年、2025年の東京デフリンピックでの活躍を目標に今月から9月まで毎月研修が実施されます。

その初日、5月25日に〈アナウンサーの基本〉と題して、3時間の講義を担当しました。

お話を頂いた当初、コーディネーターの方から、「アナウンサーとはなんぞや、仕事内容や心構えを伝えてほしい」とご依頼がありました。
アナウンサーとして10年目、アナウンサー就活生を教えて4年目。
改めて「アナウンサー」って何者だろう?と考えることに。

そこで思いがけない壁にぶつかります。

〈アナウンサーって“声”で伝えるプロだと考えていたけど、ろう者にとっては違うんだ〉ということです。

それから講座の前日まで、〈アナウンサーって果たして何者なのだろう。〉毎日考え続けました。

当日は、手話通訳者を介して授業を行いました。
(50人ほどの受講生の中には、手話言語通訳者について学ぶ聴こえる方もいます)
いつになくとても緊張していて汗だくになってしまいました(笑)

講座自体は質疑応答や発表・演習もふんだんに盛り込み
皆さんに当事者意識を持っていただきつつも、楽しんでいただけるよう進行しました。
受講生の皆さんの熱量と豊かな表情でのアクションにどんどん私も熱くなりました!

さて、〈アナウンサーが何者なのか〉については、2024年5月現在の考えとして受講生の方々にお伝えしました。
正解はないですし、ひとりひとりの解釈を大切にしてほしいのでここでは書きませんが。

今回、講座を担当させていただいたことで自分に色んな固定観念があることがわかりハッとしました。
知らず知らずのうちに自分の価値観で物事をはかったり、考え方を押し付けたりということがないよう気をつけなければなぁと実感する出来事になりました。

今回悔やまれたのは手話でのコミュニケーションが取れなかったことです。
皆さん沢山話しかけてくださったり、リアクションしてくださったのに手話がわからず想いを汲み取りきることができませんでした。
このもどかしさは、今後手話を勉強するための原動力として書き記しておこうと思います。

そして次皆さんとお会いできる機会があれば、自己紹介と近況報告まで伝えられたらいいな~

最後に、今回講座後、受講生の方と話していて嬉しかった出来事がありました。
「先生は他の方とは声の出し方が全然違うのがわかりました!ちゃんとお腹から出しているのが、聴こえなくてもわかる。肌で感じた」と、ろう者の方に言っていただけました。

これまでの人生、有難くも声を褒められる機会は多かったです。
ですが、音は聞こえなくても良い声だと言っていただくのは生まれて初めてのことでした。


確かに腹式発声もきちんとやっていたと思いますが、それ以上に、どうやって伝えようかな、しっかり熱量を伝えたい、という気持ちが届いていたことが嬉しかったのです。あやうく涙がポロリしそうでした(;;)

伝えることは、良い声でしゃべるだけではないこと、
想いから生まれる表情や熱量など、音以外の部分が大きな役割を果たしていることが身をもって体感できる出来事になりました。

きっとこれが、「伝えることの本質」なのだと思います。

私は講師を生業にする人間の中では若いですし、経験年数も数年です。
ですが、出会う方々や環境に恵まれて自信を持ってレッスンを提供できています。

これからも自身の経験を糧に、生徒様の人生が豊かになるお手伝いをしていきたいと思います。

一般財団法人全日本ろうあ連盟の皆様、受講生の皆様
この度は本当にありがとうございました!

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